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はじめに|クラウドゲームは「ルーター選び」で快適さが変わる

クラウドゲームは、自分の手元でゲームを動かすのではなく、クラウド側のサーバーで処理を行い、その映像をリアルタイムで受け取ってプレイする仕組みです。
そのため、回線速度や遅延(ラグ)の少なさ、通信の安定性がとても重要になります。
とくにルーターは「家の中での通信品質」を決める役割を持つため、どんなルーターを使うかでプレイ体験が大きく変わります。
本記事では、クラウドゲームに向いているルーターの選び方を、専門用語をなるべく使わずやさしく解説します。これから買い替えたい人、今の環境をもっと快適にしたい人のどちらにも役立つ内容です。
クラウドゲームをよりスムーズに楽しむためのチェックポイントを順番に紹介していくので、あなたの環境に合ったルーター選びに役立ててください。
クラウドゲームに必要な通信スペックの目安
クラウドゲームは、ただ「回線速度が速い」だけでは快適になりません。
安定して映像を受け取れること、遅延が少ないことも同じくらい大切です。ここでは、快適にプレイするための通信スペックの基準をわかりやすくまとめます。
必要な回線速度(下り/上り)
クラウドゲームでは、一般的に下り(ダウンロード)速度が15〜25Mbps以上あれば遊べることが多いです。
ただし、安定した高画質を望む場合や4K画質に対応するプランを利用する場合は、50Mbps以上あると安心です。
上り(アップロード)は大きく必要ありませんが、5Mbps前後を確保しておくと遅延を感じにくくなります。
速度が出ていても不安定だとカクつきやすいため、速度だけで判断しないことがポイントです。
快適プレイに必須の「安定性」の基準
クラウドゲームでは、安定した通信がとても重要です。
とくに以下の3つがチェックポイントになります。
Ping値
サーバーとデータをやり取りするまでの時間を示す数値です。
20ms以下なら多くのゲームで快適にプレイできます。
ジッター
通信の揺れ(変動)を表す数値です。
ジッターが大きいと、カクつきや画面の遅れが起きやすくなります。
10ms以下に収まっていると安心です。
パケットロス
通信データが途中で失われる現象です。
これはクラウドゲームにおいて最も影響が大きく、0%であることが理想です。
少しでも発生すると、操作と画面がずれたり、急にカクつく原因になります。
画質別の推奨スペック(1080p/4K)
クラウドゲームで選ぶ画質によって、必要な通信レベルも変わります。
- 1080p(フルHD):下り 20〜50Mbps、Ping 20ms以下
- 4Kの高画質:下り 50〜100Mbps、Ping 15ms以下
高い画質ほど「遅延のなさ」と「安定性」が求められるため、ルーター選びでも性能をしっかり見極めることが大切です。
クラウドゲームの快適さは、回線自体の品質にも大きく左右されます。もし現在の回線が遅い、夜だけ重いなどの悩みがある場合はこちらを参考にしてください。
▶ インターネット回線の選び方|ゲーム用に最適な速度・安定性をやさしく解説
ゲーム用途で後悔しないための回線選びのポイントを、速度だけでなく安定性の観点からまとめた記事です。光回線・CATV・5Gホームルーターの違いもわかりやすく比較しています。
クラウドゲーム向けルーターで重視すべき5つのポイント
クラウドゲームでは、ルーターの性能によって操作の遅延や映像の滑らかさが大きく変わります。
ここでは、後悔しないルーター選びのために、特に重要となる5つのポイントをやさしく解説します。
① Wi-Fi規格(Wi-Fi 5 / Wi-Fi 6 / Wi-Fi 6E)
Wi-Fiは世代によって性能が大きく異なります。
クラウドゲームで快適に遊ぶなら、Wi-Fi 6以上(可能ならWi-Fi 6E)を選ぶと安心です。
- Wi-Fi 5:速度・安定性ともにやや古い規格
- Wi-Fi 6:通信効率が大幅に向上し、遅延しにくい
- Wi-Fi 6E:6GHz帯で干渉が少なく、最も快適(対応端末は要確認)
家庭内の台数が多くても速度が落ちにくい点もクラウドゲーム向きです。
② 有線LANポートの速度(1Gbps/2.5Gbps)
もっとも遅延を感じにくい接続方法は有線接続です。
クラウドゲームを本気で快適にしたいなら、なるべくLANケーブルで接続するのがベストです。
その際、ルーターのLANポートが
- 1Gbps対応 → 一般的で十分
- 2.5Gbps対応 → 回線が速い人や今後のアップデートに強い
という違いがあります。
将来を見据えるなら、2.5Gbps対応のルーターはコスパが良い選択肢です。
③ 低遅延につながる技術(OFDMA・MU-MIMO・ビームフォーミング)
最新ルーターには、混雑時の遅延を抑える技術が搭載されています。
- OFDMA:複数の機器と同時通信しても効率が落ちにくい
- MU-MIMO:複数端末の同時通信に強い
- ビームフォーミング:機器の方向に電波を集中しやすい
これらがあると、家族全員が同時にインターネットを使ってもラグが出にくいため、クラウドゲームと相性の良いルーターといえます。
④ ゲーミング機能(QoS・ゲーム優先モード)
ゲーミングルーターには、ゲームの通信を優先させる機能が搭載されていることがあります。
- QoS(Quality of Service):特定の通信を優先する
- ゲーム優先モード:ゲームの遅延を最小限にする設定
これらの機能があると、動画再生や家族のWi-Fi利用に左右されず、安定した低遅延でクラウドゲームが楽しめます。
⑤ 同時接続数と混雑時の安定性
最近の家庭では、スマートフォン・タブレット・テレビ・家電など、同時に多くのデバイスがWi-Fiに接続します。
そのため、クラウドゲーム用途では同時接続が多くても安定するルーターが必須です。
特に以下の点をチェックしましょう。
- 10台以上の同時接続を想定したモデルか
- チップ性能(CPU/メモリ)がしっかりしているか
- 負荷が高い状況でも速度が落ちにくいか
ゲーム中に家族が動画を見てもラグが出にくくなるため、快適さが大きく変わります。
自宅環境別|最適なルーターの選び方
ルーターは「家の広さ」や「壁の構造」、「家族の利用状況」によって適したタイプが変わります。
ここでは、自宅環境ごとにクラウドゲームを快適にするルーターの選び方をまとめます。
マンション住まいの場合
マンションは、周囲の部屋のWi-Fiと電波が干渉しやすい環境です。
クラウドゲームでは、この電波干渉が遅延やカクつきの原因になることがあります。
そこで意識したいポイントは以下のとおりです。
- 5GHz帯に対応したルーターを使う(電波干渉に強い)
- チャンネルの自動選択が賢いモデルを選ぶ
- 部屋の中心付近に設置することで電波を安定させる
電波干渉を減らすポイント(チャンネル設定・5GHz活用)
クラウドゲームでは、2.4GHzより5GHzの利用が圧倒的に有利です。
理由は、5GHz帯は周囲とチャンネルが被りにくく、電波が混雑しづらいためです。
また、ルーターによっては
- 自動で空いているチャンネルを選んでくれる
- 干渉を検知して切り替えてくれる
など、安定性に直結する機能があります。
マンション住まいなら、こうした“干渉対策が強いルーター”を選ぶことで、クラウドゲームのラグを大幅に減らせます。
マンションでラグが出やすい人は、電波干渉の影響を受けている可能性があります。より詳しい改善方法はこちらで詳しくまとめています。
▶ マンションのWi-Fiが遅い原因と改善方法|電波干渉を防いで速度を安定させるコツ
マンション特有の「電波干渉」「チャンネル混雑」を避ける具体的な対策をまとめた記事です。クラウドゲームや動画視聴を安定させたい人向けに、初心者でもできる設定手順を丁寧に解説しています。
戸建ての場合
戸建ては、階層や部屋数が多いため距離による電波の弱まりが起きやすいのが特徴です。
とくに2階・3階でクラウドゲームをする場合、ルーターが1階にあると電波が弱くなることがあります。
そこで有効なのが Mesh Wi-Fi(メッシュWi-Fi) です。
階層構造に強いMesh Wi-Fiの活用
Mesh Wi-Fiは、複数のアクセスポイントで家全体を“網(メッシュ)”のようにカバーする仕組みです。
これにより、
- 家中どこでも安定したWi-Fi
- 死角ができにくい
- 4Kクラウドゲームでも安定しやすい
というメリットがあります。
戸建てでゲームをするなら、ルーター+サテライト(中継機)構成のMesh Wi-Fiが非常に相性が良いです。
家族と同居し接続数が多い場合
家族全員がスマホ・タブレット・テレビなどを使う家庭では、Wi-Fiが混雑しやすくなります。
この混雑はクラウドゲームにとって大きな負荷となり、ラグや映像の乱れにつながります。
帯域の取り合いを防ぐ設定ポイント
接続数が多い家庭で意識したいポイントは以下の2つです。
- QoSでゲーム通信を優先させる
- MU-MIMO・OFDMA対応ルーターを選ぶ
特にMU-MIMOやOFDMAがあると、複数端末が同時にアクセスしても通信が詰まりにくく、クラウドゲームの操作遅延が減ります。
忘れがちな重要ポイント|ISPや回線との相性
ルーターの性能が高くても、接続している回線やプロバイダ(ISP)との相性が悪いと、クラウドゲームの品質は大きく低下します。
ここでは、意外と見落とされがちな「回線との相性」についてやさしく解説します。
回線タイプ別の注意点(光回線/CATV/モバイル回線)
クラウドゲームに最も向いているのは光回線(特に光ファイバー)です。
安定性が高く、遅延も少ないため、ほとんどのクラウドゲームサービスが推奨しています。
一方、
- CATV(ケーブルテレビ回線):混雑に弱く、夜間に速度低下しやすい
- モバイル回線(4G/5G):電波状況に左右されやすい
といった特徴があり、ゲーム用途では不安定になることがあります。
ルーターのスペックだけでなく、そもそもの回線タイプがゲーム向きかどうかを確認することが大切です。
ONU一体型ルーターの場合の注意点(ブリッジモード活用)
光回線では、回線業者が貸し出す「ONU(光回線終端装置)+ルーター一体型」機器が設置されることがあります。
しかし、この一体型ルーターは性能が低いことが多く、
せっかく高性能ルーターを買っても“速度が出ない”原因になります。
解決策はシンプルで、
- 一体型ルーターをブリッジモードに切り替える
- 自分で購入したルーターをメインのルーターとして使う
という設定にするだけです。
こうすることで、クラウドゲーム向けの性能をしっかり発揮できます。
IPv6対応の必要性
クラウドゲームでは、回線混雑の影響を受けやすいIPv4より、
IPv6(特にIPv6 IPoE)が快適です。
IPv6 IPoEは、
- 夜間も速度が出やすい
- 混雑を避けて通信できる
- ルーターのポテンシャルを引き出しやすい
といったメリットがあります。
クラウドゲームのためにルーターを選ぶ場合、
「IPv6対応」かどうかは必須のチェックポイントといえます。
クラウドゲームに強いおすすめルーターのタイプ別紹介
ここでは、特定のメーカーや機種名に依存せず、「どんなタイプのルーターがクラウドゲームに向いているか」をわかりやすく整理します。
自宅環境や予算に合わせて選びやすくなるため、買い替えで失敗しにくくなります。
高速・低遅延を重視したゲーミングルーター
ゲーミングルーターは、クラウドゲームのように「遅延しないこと」が求められる用途に最適です。
主な特徴は以下のとおりです。
- ゲーム優先モード(QoS)が充実している
- CPU性能が高く、処理落ちしにくい
- アンテナ設計が強力で電波が安定しやすい
- Wi-Fi 6 / 6Eに対応し、混雑に強い
特に「家族が同時に動画やネットを使う」環境では、ゲーミングルーターの方が安定感が出やすく、クラウドゲーム用途に向いています。
コスパ重視のスタンダードモデル
高価なゲーミングルーターまでは不要だと感じる場合は、Wi-Fi 6対応のスタンダードモデルでも十分です。
次のポイントを満たしていれば、クラウドゲームでも快適に遊べます。
- Wi-Fi 6対応
- 1Gbps以上の有線ポート
- MU-MIMO / OFDMA対応のモデル
価格を抑えつつ、日常使いとゲームのバランスを取りたい人に向いています。
広い家向けのMesh対応ルーター
戸建てやメゾネットのように広い家では、一台のルーターではカバーしきれないことがあります。
その場合、Mesh Wi-Fi(メッシュWi-Fi)対応ルーターがおすすめです。
Meshルーターの特徴:
- 家全体に均一に電波が届く
- 死角や弱い場所ができにくい
- 離れた部屋でもクラウドゲームが安定しやすい
「2階の部屋だけ電波が弱い」「3階でゲームをすると遅延が出る」という悩みに特に効果的です。
ルーターの設定でクラウドゲームを最適化する方法
ルーターは購入しただけでは性能を十分に発揮できません。
少し設定を見直すだけで、クラウドゲームのラグやカクつきを大きく改善できます。
ここでは、ゲームをより快適にするための実践的な設定ポイントをまとめます。
QoS設定(ゲームを優先させる)
QoS(Quality of Service)は、特定の通信を“優先的に流す”ための仕組みです。
クラウドゲームでは、ゲームの通信を上位に設定することで
- 家族が動画を見ていても遅延しにくい
- 回線が混雑してもラグが起きにくい
といったメリットがあります。
ゲーミングルーターには、最初から「ゲーム優先モード」が用意されている場合もあるため、該当する設定があれば必ずオンにしておきましょう。
無線より有線を優先させる理由
Wi-Fiは便利ですが、電波干渉や壁の影響を受けやすいため、クラウドゲームではわずかな遅延が発生することがあります。
一方、有線LANは
- 信号が安定している
- 遅延がほとんど発生しない
- 画質が安定しやすい
という点で圧倒的に有利です。
もし可能であれば、
プレイする端末は有線LANで接続することを強くおすすめします。
Wi-Fi専用の端末を使う場合は、なるべくルーターの近くで接続すると安定します。
もし無線でラグが出る場合は、Wi-Fiの最適化設定で改善できることも多いです。詳しい手順はこちらで紹介しています。
▶Wi-Fiを速くする設定まとめ|初心者でもできる速度・安定性アップの方法
Wi-Fiの速度改善や安定化のための簡単な設定をまとめた記事です。チャンネル設定・2.4GHz/5GHzの使い分け・端末ごとの最適化方法を丁寧に解説しています。
チャンネル干渉を避けるための設定
Wi-Fiの電波は、周囲の家のルーターや家電の影響で“混雑”することがあります。
これを避けるためには次の設定が有効です。
- 5GHz帯を優先して使用する
- チャンネルの自動選択機能をオンにする
- 2.4GHz帯は混雑しやすいため、ゲームでは極力使わない
特にマンションでは、周囲のWi-Fiが密集しやすいため、チャンネル設定がゲームのラグに大きく影響します。
ファームウェア更新の重要性
ルーターは、内部ソフトウェア(ファームウェア)の更新によって
- 不具合の改善
- 通信の最適化
- 新機能の追加
が行われます。
更新されていないルーターは、速度が出なかったり不安定になることもあるため、定期的にアップデートを確認し、最新状態に保つことが大切です。
よくある失敗例と後悔ポイント
ルーター選びでは、スペックだけを見て購入してしまい、後から「思っていたのと違う…」と後悔してしまうケースが少なくありません。
ここでは、クラウドゲームのユーザーに多い“ありがちな失敗”をまとめています。
購入前に知っておくことで、ムダな出費や買い替えのリスクを防げます。
「速度だけ」で選んでしまう
多くの人が「最大○Gbps」という速度を基準に選びがちですが、クラウドゲームでは速度よりも安定性のほうが重要です。
例えば、
- Ping値が高い
- ジッターが大きい
- パケットロスが発生している
こうした状態では、どれだけ“最大速度が速いルーター”でもプレイは快適になりません。
速度はあくまで一つの目安で、遅延を減らす機能や安定性のほうが優先されます。
Wi-Fi5を使い続けて遅延が出る
古いWi-Fi5(11ac)のルーターを使い続けている家庭は多いですが、クラウドゲーム用途では性能不足になるケースがあります。
- 電波干渉に弱い
- 同時接続で速度が落ちやすい
- Pingが不安定になりがち
といった理由から、遅延や映像のカクつきが起きやすくなります。
クラウドゲームを快適にするなら、Wi-Fi6以上を選ぶと後悔しません。
安価すぎるモデルで混雑に弱くなる
安いルーターはコスパが良いように見えても、
- 内部のCPU性能が低い
- 同時接続数が少ない
- 夜間に速度が落ちやすい
といった弱点があり、クラウドゲームでは性能不足になりがちです。
家族の利用が多い家庭では、特に中位〜高性能モデルを選んだほうが安定します。
ONU一体型ルーターでボトルネック化してしまう
光回線で設置されるONU一体型ルーターは、性能が低いことが多く、
ここが“ボトルネック(通信の詰まり)”になってしまうケースがよくあります。
- 高性能ルーターを買ったのに速度が出ない
- 夜になると急に重くなる
という人は、
一体型ルーターをブリッジモードに設定しないまま使っていることが原因の可能性があります。
設定を正すだけで改善するため、後悔ポイントとしてよく挙げられる項目です。
まとめ|クラウドゲームは“ルーター選び”が勝敗を分ける
クラウドゲームを快適に楽しむには、単に「速いルーター」を選べば良いわけではありません。
大切なのは、遅延しにくく、安定して通信できる環境をつくることです。
この記事で紹介したポイントを見直すだけで、ラグが減り、操作の反応が早くなり、映像の乱れも少なくなります。
特に意識したいチェックポイントは次のとおりです。
- Wi-Fi 6以上のルーターを選ぶ
- 有線LANが使えるなら有線を優先する
- QoSやゲーム優先モードで通信を最適化する
- Mesh Wi-Fiで家全体の電波を安定させる
- ONU一体型ルーターはブリッジモードに切り替える
- IPv6対応の回線・ルーターを選ぶと混雑に強い
クラウドゲームは、通信環境が良くなると驚くほど快適になります。
ルーターの見直しは「最も効果の出やすい改善策」なので、買い替えや設定変更を検討してみてください。
あなたの環境に合った最適なルーターが見つかり、快適なゲーム体験につながれば幸いです。