目次
はじめに|LAN配線方式のマンションは本当に遅いのか?

マンションでインターネットを使うとき、「LAN配線方式」という言葉を耳にすることがあります。
光回線やVDSL方式と比べて、速度が遅いのではないかと心配になる方も多いでしょう。
実際には、LAN配線方式は建物内の既存のLANケーブルを利用してインターネットを届ける仕組みで、回線自体は高速でも、建物の共有環境や設備の状態によって体感速度が低下することがあります。
この記事では、LAN配線方式の基本的な仕組みや速度の上限、遅く感じる原因、改善できるポイントなどをわかりやすく解説します。
マンションで快適にインターネットを利用したい方に向けて、必要な情報を整理してご紹介します。
LAN配線方式とは?マンションで使われる回線の仕組み
LAN配線方式の基本的な仕組み
LAN配線方式は、マンション内の各住戸まで既存のLANケーブルを通してインターネット信号を届ける方式です。
建物の共有スペースに設置された通信装置から、各部屋のLAN端子まで信号を送る仕組みで、追加の光ケーブル工事を行わずに利用できる点が特徴です。
光回線の高速性はありますが、配線や設備の制約によって実際の速度は影響を受けやすくなります。
光配線方式・VDSL方式との違い(簡潔に)
光配線方式は、マンションの共有スペースから各住戸まで光ケーブルを直接引き込む方式で、LAN配線方式よりも安定して高速です。
LAN配線方式だけでなく、他の回線方式の特徴を知っておくと、自宅の回線環境を正しく理解できます。
▶マンション回線の種類を見分ける方法|VDSL方式・光配線方式・LAN配線方式をやさしく解説
VDSL方式・光配線方式・LAN配線方式の違いや確認方法を初心者向けに整理した記事です。自宅がどの方式か分からない方におすすめです。
一方、VDSL方式は電話線を使って各住戸に信号を届ける方式で、距離や回線共有の影響を受けやすく、夜間の速度低下が起こりやすい特徴があります。
LAN配線方式はこの中間に位置し、建物内のLAN設備や利用状況によって速度が変わる点がポイントです。
LAN配線方式の速度上限はどれくらい?
理論上の最大速度(100Mbps/1Gbps)
LAN配線方式で使われるLANケーブルの規格によって、理論上の最大速度は異なります。
一般的なCat5eケーブルでは最大1Gbps、より古いCat5ケーブルでは100Mbps程度が上限です。
最新のCat6以上のケーブルであれば、理論的には1Gbps以上の速度も可能ですが、建物全体で共有するため実際の速度は理論値より低くなることがあります。
実際の平均速度と体感の目安
多くのマンションでLAN配線方式を利用した場合、実測速度は50〜200Mbps程度になることが多いです。
ウェブ閲覧や動画視聴であれば問題なく利用できますが、オンラインゲームや高画質の動画配信を同時に行う場合には、体感で遅く感じることがあります。
夜間に遅くなりやすい理由
LAN配線方式では、建物内の複数の住戸が同じ回線を共有しています。
そのため、夜間など多くの人がインターネットを利用する時間帯は帯域が分散され、速度低下が起こりやすくなります。
また、ルーターやハブなどの設備性能も影響するため、機器の古さや設定によって速度が制限されることもあります。
LAN配線方式が「遅い」と感じやすい原因
建物全体で回線を共有している
LAN配線方式では、マンション内の複数の住戸が同じ回線を共有しています。
そのため、同時にインターネットを利用する住戸が増えると、帯域が分散されて速度が低下します。
特に夜間や週末など利用者が多い時間帯は、体感速度が遅くなりやすいです。
古いLANケーブル・設備が使われている
建物のLAN配線やハブ、ルーターなどの設備が古い場合、理論上の最大速度を出せないことがあります。
Cat5規格の古いケーブルや、100Mbpsまでしか対応していないハブを使っていると、回線のポテンシャルを十分に活かせません。
ルーター性能がボトルネックになっている
各住戸で使用しているルーターやWi-Fi機器の性能も、速度に大きく影響します。ルーターが古かったり、同時接続台数が多い場合には、LAN配線方式の回線速度を十分に活かせず、遅いと感じる原因になります。
LAN配線方式でも快適に使えるケース
ネット閲覧・動画視聴が中心の場合
ウェブサイトの閲覧や動画視聴、SNSの利用程度であれば、LAN配線方式でも十分快適に使えます。
多くの場合、50〜200Mbps程度の速度が出るため、HD動画の視聴やオンライン会議も問題なく行えます。
利用人数が少ないマンションの場合
同じ回線を共有する住戸が少ないマンションでは、帯域の競合が少なく、速度低下が起こりにくくなります。
特に昼間や平日の利用が中心の家庭では、体感で遅さを感じにくいでしょう。
昼間の利用が多い人の場合
夜間に比べて利用者が少ない昼間の時間帯は、LAN配線方式でも十分な速度が確保できます。
オンライン作業や動画視聴など、昼間中心の利用であれば、快適に使えるケースが多いです。
LAN配線方式が不向きなケース
オンラインゲーム・在宅ワーク用途
オンラインゲームやリモートワークで大容量のデータ通信を行う場合、LAN配線方式では回線共有や設備の影響で速度が安定しないことがあります。特にゲームのラグや会議中の映像遅延が気になる場合は不向きです。
家族で同時に使うことが多い場合
複数人が同時に動画視聴やオンライン会議を行うと、回線の帯域が分散されて速度低下が起こりやすくなります。
家族の利用が多いマンションでは、体感で「遅い」と感じることが増えます。
高画質動画・配信を頻繁に使う場合
4K動画や高画質配信サービスを頻繁に利用する場合、LAN配線方式では帯域不足になりやすいです。
特に夜間は混雑で速度が低下するため、快適な視聴環境を確保しにくくなります。
LAN配線方式でできる現実的な改善策
ルーターを最新規格に交換する
LAN配線方式で速度を最大限活かすには、住戸内のルーターやWi-Fi機器を最新規格に交換することが効果的です。
Wi-Fi6やWi-Fi6E対応ルーターを使うことで、同時接続台数が多くても安定した通信が可能になります。
速度が遅いと感じたとき、住戸内でできる具体的な改善策も知っておくと安心です。
▶ LAN配線方式の速度を改善する方法|ルーター交換と接続環境の見直しガイド
ルーター交換やLANケーブルの見直しなど、LAN配線方式で速度を改善する方法を具体的に解説した記事です。
有線接続を見直す
LAN配線方式では、可能であればパソコンやゲーム機を直接LANケーブルで接続することで速度と安定性が向上します。
古いケーブル(Cat5など)をCat5e以上に交換するのも有効です。
管理会社・大家に設備更新を確認する
マンション全体のLANハブや分配設備が古い場合、速度が制限されることがあります。
管理会社や大家に設備更新の予定を確認し、改善できるか相談することで、回線環境が向上する場合があります。
LAN配線方式から乗り換えはできる?
個別に光回線を引けるケース
建物や管理規約によっては、住戸ごとに光回線を直接引き込むことが可能な場合があります。
この場合、LAN配線方式の速度制限や共有帯域の影響を受けず、安定した高速通信を利用できます。
さらに安定した高速回線を希望する場合は、光回線への乗り換えも検討できます。
▶ マンションで光回線を個別に引く方法|契約前に確認すべきポイントと工事手順
マンションで光回線を個別に引く方法や工事可否、注意点を初心者向けに整理した記事です。乗り換えを検討する際に参考になります。
建物都合で難しいケース
マンション全体の配線設備が固定されている場合や、共有スペースの工事が難しい場合は、個別に光回線を引くことができません。
この場合、LAN配線方式の速度のまま利用するしかなく、改善策は住戸内の機器やWi-Fi設定に限られます。
乗り換え前に確認すべきポイント
光回線への乗り換えを検討する際は、管理規約の確認、工事費用、工事可能日程、契約プロバイダの選択肢などを事前に確認しておくことが重要です。また、乗り換え後に既存のLAN配線設備が不要になるかどうかもチェックしておくと安心です。
LAN配線方式かどうかを確認する方法
室内LANポートの確認
まずは部屋にあるLAN端子を確認しましょう。LAN配線方式では、壁に設置されたLANポートからインターネットに接続します。
モデムやONUが直接接続されていない場合は、LAN配線方式の可能性が高いです。
契約書・設備案内のチェック
インターネット契約書やマンションの設備案内には、回線方式の記載があることがあります。
「LAN配線方式」「光配線方式」「VDSL方式」といった表記を確認することで、使用している方式を判断できます。
管理会社・不動産会社への聞き方
契約書や設備案内で不明な場合は、管理会社や不動産会社に問い合わせましょう。
「このマンションはLAN配線方式ですか?」と具体的に質問することで、確実に確認できます。必要に応じて、設備更新や速度改善の相談も行えます。
よくある質問(FAQ)
LAN配線方式は工事なしで速くできる?
LAN配線方式では、建物全体の配線を変える工事は基本的に住戸単位ではできません。
ただし、住戸内のルーターやLANケーブルの交換、Wi-Fi設定の最適化で体感速度を改善することは可能です。
プロバイダを変えれば速くなる?
回線自体はマンション全体で共有されているため、プロバイダを変更しても速度向上には限界があります。
ただし、プロバイダによっては通信の安定性やサポート品質が異なるため、改善効果が感じられる場合もあります。
Wi-Fiが遅いのは回線のせい?
Wi-Fi速度の低下は、回線だけでなくルーターの性能、設置場所、周波数帯(2.4GHz/5GHz)や障害物の影響も大きいです。
まずは住戸内のWi-Fi環境を見直すことが、体感速度改善につながります。
まとめ|LAN配線方式は「用途次第」で評価が変わる
LAN配線方式のマンションは、建物内で回線を共有するため、速度が安定しにくいことがあります。
しかし、ネット閲覧や動画視聴などの軽い用途であれば十分に快適に使えます。一方で、オンラインゲームや高画質配信、複数人で同時利用する場合は、体感で遅さを感じることがあります。
快適に使うためには、住戸内のルーターやLANケーブルの更新、有線接続の見直し、管理会社への設備確認など、現実的な改善策を試すことが重要です。用途に応じて、LAN配線方式のまま使うか、個別に光回線を引くかを判断すると良いでしょう。