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はじめに|マンションのWi-Fiが遅くなる原因はひとつではない

マンションで
「Wi-Fiが遅い」「動画が止まる」「夜になると重くなる」
と感じたことはありませんか。
このようなトラブルは、決して珍しいものではありません。
ただし、Wi-Fiが遅くなる原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって起きているケースがほとんどです。
たとえば、
- 回線そのものが混雑している
- マンション特有の回線方式が影響している
- Wi-Fiルーターの置き場所や設定が合っていない
など、原因によって取るべき対処法は変わります。
大切なのは、
「何となく機器を買い替える」のではなく、原因を順番に切り分けることです。
実は、設定の見直しだけで改善するケースも少なくありません。
この記事では、初心者の方でも迷わないように、
マンションのWi-Fiが遅いときに見直すべき5つの対処法を、上から順にわかりやすく解説していきます。
「どこに問題があるのか分からない」という方でも、
この順番で確認していけば、今の状況に合った対策が見えてくるはずです。
対処法① 回線そのものが遅くなっていないか確認する
Wi-Fiが遅いと感じたとき、最初に確認しておきたいのが
「Wi-Fiではなく、回線そのものが遅くなっていないか」という点です。
実は、Wi-Fiの電波やルーターに問題がなくても、
インターネット回線自体が遅くなっていれば、体感速度は大きく落ちてしまいます。
Wi-Fiではなく「回線速度」をまずチェックする
まずは、スマホやパソコンを使って回線速度を確認してみましょう。
このときのポイントは、Wi-Fi経由だけでなく、有線接続でも測定することです。
たとえば、
- Wi-Fi接続 → 速度が遅い
- 有線接続 → 速度も遅い
という場合は、Wi-Fiではなく回線側に原因がある可能性が高いと考えられます。
逆に、有線では問題なく速いのに、Wi-Fiだけ遅い場合は、
ルーターや電波環境に原因があるケースが多くなります。
夜だけ遅くなる場合に考えられる原因
「昼間は普通なのに、夜になると急に遅くなる」
このような場合は、回線の混雑が影響していることがよくあります。
マンションでは、同じ建物内で回線を共有していることが多く、
夜の時間帯は利用者が増えるため、速度が落ちやすくなります。
この段階では、
「自分の回線は時間帯によって遅くなっていないか」
を把握できれば十分です。
ここで回線自体が遅いと分かった場合、
次に確認すべきポイントはマンション特有の回線方式になります。
対処法② マンションの回線方式を確認する
回線速度に問題がありそうな場合、次に確認したいのが
マンションで使われている回線方式です。
同じ「光回線」と書かれていても、
マンションでは配線の方式によって、速度や安定性に大きな差が出ます。
マンションのWi-Fiが遅い原因として、最も見落とされやすいのが回線方式の違いです。
まずは、自分の住んでいるマンションがどの方式なのかを正しく知っておきましょう。
▶マンション回線の種類を見分ける方法|VDSL方式・光配線方式・LAN配線方式をやさしく解説
マンションで使われる回線方式(VDSL方式・LAN配線方式・光配線方式)について、それぞれの仕組み・速度の違い・確認方法を初心者向けに整理した記事です。
「自分の部屋の回線がどれなのか分からない」という疑問を解消できます。
マンションで使われる主な回線方式
マンションで使われる回線方式は、大きく分けて次の3つです。
VDSL方式
VDSL方式は、建物の共用部分までは光回線、
そこから各部屋までは電話線を使って通信する方式です。
電話線を使うため、通信速度が出にくく、
夜間など混雑する時間帯に遅くなりやすい傾向があります。
「夜になると急に遅くなる」という症状がある場合、VDSL方式特有の制限が影響している可能性があります。
▶VDSL方式はなぜ遅い?マンション回線が夜に遅くなる原因と対策をやさしく解説
VDSL方式が遅くなりやすい理由を、回線の仕組み・時間帯による混雑・改善できる範囲と限界に分けて解説した記事です。
「対策しても速くならない理由」が分かります。
LAN配線方式
LAN配線方式は、共用部分から各部屋までLANケーブルでつながっている方式です。
VDSL方式よりは安定しやすいものの、
建物全体で回線を共有しているため、利用状況によっては速度が落ちることがあります。
光配線方式
光配線方式は、共用部分から各部屋まで光ファイバーが直接引かれている方式です。
3つの中では最も安定しやすく、
高速な通信が期待できます。
自分の部屋の回線方式を調べる方法
自宅がどの回線方式か分からない場合は、次の方法で確認できます。
- 管理会社や大家さんに問い合わせる
- 室内の配線や情報コンセントの表示を確認する
- 契約時の書類やプロバイダの案内を見直す
回線方式が分かれば、
「今の遅さが設備によるものかどうか」を判断しやすくなります。
回線方式に大きな問題がなさそうな場合は、
次にWi-Fiルーターの置き場所や環境を見直してみましょう。
対処法③ Wi-Fiルーターの設置場所と環境を見直す
回線方式に大きな問題がなさそうな場合でも、
Wi-Fiルーターの置き場所が原因で速度が落ちていることは少なくありません。
Wi-Fiは電波を使って通信するため、
設置環境によって届きやすさが大きく変わります。
ルーターの置き場所で速度が落ちる理由
Wi-Fiの電波は、壁や家具、家電などの障害物を通り抜けると弱くなります。
特にマンションでは、コンクリートの壁が多く、電波が減衰しやすい環境です。
たとえば、
- 玄関や部屋の端に置いている
- 床に直接置いている
- 家具の裏や棚の中に入れている
このような設置場所では、電波が部屋全体に届きにくくなります。
電波が届きにくくなるよくある設置例
次のような場所も、Wi-Fiが不安定になりやすいポイントです。
- 電子レンジやテレビの近く
- 水槽や金属製の棚のそば
- 壁に囲まれたクローゼットの中
改善する場合は、
部屋の中央付近・床から少し高い位置に設置するのがおすすめです。
設置場所を変えるだけでも、
「急に安定した」「部屋奥まで電波が届くようになった」
と感じるケースは珍しくありません。
それでも改善しない場合は、
次にWi-Fiルーター自体の性能や設定を確認していきましょう。
対処法④ Wi-Fiルーターの性能・設定を確認する
設置場所を見直しても改善しない場合は、
Wi-Fiルーター自体の性能や設定が合っていない可能性があります。
マンションでは、回線がそれなりに速くても、
ルーターがボトルネックになって速度が出ないケースがよくあります。
ルーターが古いと速度が出ない理由
Wi-Fiルーターには、対応している通信規格があります。
古いルーターの場合、現在の回線速度に対応できていないことがあります。
たとえば、
- 契約回線は速いのに実測速度が出ない
- 複数台接続すると極端に遅くなる
といった場合、ルーターの性能不足が原因になっていることがあります。
購入から数年経っている場合は、
今の通信環境に合っているかを一度確認してみましょう。
周波数帯(2.4GHz/5GHz)の使い分け
Wi-Fiには主に、2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯があります。
- 2.4GHz:壁に強いが、混雑しやすい
- 5GHz:速度が出やすいが、距離や壁に弱い
ルーターの近くで使う場合は5GHz、
離れた部屋では2.4GHzを使うなど、
環境に合わせて切り替えることで安定しやすくなります。
ファームウェア更新を見落としていないか
意外と見落とされがちなのが、
ルーターのファームウェア更新です。
更新されていない場合、
- 通信が不安定になる
- 本来の性能が出ない
といったことが起こる場合があります。
管理画面を開き、
「更新がないか」を一度確認しておくと安心です。
ここまで見直しても、
特定の部屋だけ電波が弱い場合は、
次に中継器やメッシュWi-Fiを検討する段階になります。
対処法⑤ 中継器・メッシュWi-Fiを検討する
ここまでの対処法を試しても、
「特定の部屋だけ遅い」「奥の部屋で途切れやすい」
といった場合は、電波の届きにくさが原因になっている可能性があります。
そのようなときに検討したいのが、
中継器やメッシュWi-Fiの導入です。
電波が弱い部屋がある場合の選択肢
マンションでは、間取りや壁の構造によって、
どうしても電波が弱くなる場所が出てきます。
特に、
- ルーターから離れた部屋
- 廊下を挟んだ部屋
- コンクリート壁が多い部屋
では、電波が安定しにくくなります。
このような場合、
電波を中継・補助する機器を使うことで、
部屋全体の通信環境を改善できる可能性があります。
中継器とメッシュWi-Fiの違い
中継器とメッシュWi-Fiは、役割は似ていますが、考え方が異なります。
- 中継器
既存のWi-Fi電波を中継して、届く範囲を広げる機器
比較的手軽に導入しやすい - メッシュWi-Fi
複数の機器で家全体をカバーする仕組み
接続が切り替わりにくく、安定しやすい
「一部の部屋だけ補いたい」場合は中継器、
「家全体を安定させたい」場合はメッシュWi-Fi、
という考え方で選ぶと分かりやすいでしょう。
中継器とメッシュWi-Fiは似ているようで、向いている使い方が異なります。導入前に、それぞれの違いをもう少し整理しておきましょう。
▶中継器とメッシュWi-Fiの違いとは?マンション・戸建て別に最適な選び方を解説
中継器とメッシュWi-Fiの仕組み・メリット・向いているケースを比較し、「自分の住環境にはどちらが合うのか」を判断できるようにした記事です。
無駄な買い替えを防ぎたい人向けの内容です。
それでも改善しない場合の選択肢
ここまでの対処法を確認しても、
「思ったほど改善しない」「時間帯によって遅さが変わらない」
という場合は、Wi-Fiや機器以外の要因を疑う段階に入ります。
この段階では、無理に設定をいじり続けるより、
契約や回線そのものを見直すほうが、結果的に解決が早いこともあります。
プロバイダ変更で改善するケース
同じ回線を使っていても、
プロバイダによって通信の混雑状況や安定性が異なる場合があります。
特に、
- 夜間の速度低下がひどい
- 特定の時間帯だけ極端に遅い
といった症状が続く場合は、
プロバイダ側の混雑が影響している可能性も考えられます。
工事が不要で切り替えられるケースも多いため、
「大きな手間をかけずに改善したい」場合の選択肢として有効です。
回線の乗り換え・個別回線導入を検討する目安
マンションの設備や回線方式が原因で、
どうしても速度が出ないケースもあります。
たとえば、
- VDSL方式で速度の上限が低い
- 建物全体で回線を共有しており、混雑を避けられない
このような場合は、
別回線への乗り換えや、条件が合えば個別回線の導入を検討する余地があります。
もちろん、管理会社への確認や費用の問題はありますが、
「仕事やオンライン会議で支障が出ている」場合は、
現実的な選択肢として考える価値があります。
よくある質問(初心者がつまずきやすいポイント)
ここでは、マンションのWi-Fiが遅いと感じたときに、
多くの方が疑問に感じやすいポイントを整理しておきます。
Wi-Fiルーターを変えれば必ず速くなる?
必ずしも速くなるとは限りません。
回線方式や回線自体が原因の場合、
ルーターを高性能なものに変えても、速度が大きく改善しないことがあります。
一方で、
- ルーターが古い
- 同時接続が多い
- 規格が今の回線に合っていない
といった場合は、買い替えによって改善する可能性があります。
そのため、
先に回線や回線方式を確認してから判断することが大切です。
工事は必要になる?
多くの対処法は、工事なしで対応できます。
- ルーターの設置場所変更
- 設定の見直し
- 中継器の追加
これらは、賃貸マンションでも問題なく行えることがほとんどです。
ただし、回線の乗り換えや個別回線の導入を行う場合は、
工事が必要になるケースがあります。
賃貸マンションでもできる対策はどこまで?
今回紹介した対処法の多くは、賃貸でも実践できます。
特に、
- 設置場所の見直し
- ルーター設定の調整
- 中継器・メッシュWi-Fiの導入
は、原状回復を気にせず行える対策です。
回線工事が必要な場合のみ、
事前に管理会社や大家さんへの確認を行うようにしましょう。
まとめ|5つの対処法を上から順に確認すれば原因が見えてくる
マンションのWi-Fiが遅いと感じたとき、
原因はひとつに決めつけられるものではありません。
回線・設備・Wi-Fi環境・機器設定など、
いくつかの要因が重なって起きているケースがほとんどです。
そのため、
- 回線そのものの速度を確認する
- マンションの回線方式を把握する
- ルーターの設置場所を見直す
- ルーターの性能や設定を確認する
- 必要に応じて中継器やメッシュWi-Fiを検討する
この順番でチェックしていくことが、
無駄な出費や遠回りを防ぐ一番の近道になります。
すべての対策を行う必要はありません。
今の環境に合わない部分だけを見直すことで、
意外と簡単に改善することも多いです。
「何から手を付ければいいか分からない」という方は、
まずは一つ目の対処法から、順に確認してみてください。